年賀欠礼状「喪中につき」と書いてはいけない場合とは?【お葬式あらかると】

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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「新年のご挨拶にかえて」 
という言葉で始まった年賀欠礼状が届きました。差出人は数年前より親しくさせていただいているプロテスタント系の牧師さん。

キリスト教では死はケガレではなく、喪に服すという考え方がないため、喪中という概念はありません。ですから、いつもと変わらぬ新年を迎えても、それを不謹慎だとか無頓着だとか言う人はいないでしょうが、さり気ない配慮に人柄を垣間見ることができました。
「故人を思い心穏やかに新年を迎えたい……」そういった心情が伺えます。

仏教でも浄土真宗の場合、やはり「喪中」という言葉を使うのは教義上好ましくないとされています。ですから「服喪中につき……」という文面は基本的にはNG。単に「新年のご挨拶を失礼させていただきます」とするか、「師走」「初冬」「年の瀬」など季節の言葉を上手に使っていくと良いでしょう。    

先日、テレビで「今年の年賀状は文面に迷う方が多い」という内容の情報番組が放送されていました。

数多くの災害で未だ復興の渦中にいる方が多い中、直接被災したわけではないけれど、年賀状で「おめでとう」という言葉を使って良いものだろうか、というのが悩みどころだそう。

年始に使う「おめでとう」は、年を越せたという感謝と、新しい年を迎えられたことに対する喜び、そして新年への希望が込められたものですから、不謹慎でもなく失礼になることはない、というのが専門家の意見。

それでも、「おめでとう」「Happy New Year」「お慶び」など直接的な言い方はなんとなく躊躇してしまうもの。そういった場合、

「謹んで新年のご挨拶を申しあげます」

「謹んで新春のご挨拶を申しあげます」 

など、言い方を少し変えるだけで、ずいぶんとやさしい印象になるのではないでしょうか。

「初春」

「迎春」 

など、「春がきましたね」という意味合いの賀詞でも良いでしょう。 ※二文字の賀詞は目上の方に使わないほうが無難です。  

年末年始の挨拶状の目的は、この一年の感謝と、次の一年の幸を願い、お互いの絆を確認することですから、文頭の挨拶だけにとらわれすぎず、思いが伝わる温かみのある文面にしたいものですね。

吉川美津子の”お葬式あらかると”

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