故人と対面するときのマナーとは?申し出る方法とかける言葉

小林憲行【記事監修】
小林憲行

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  • 遺族に断りなく、自由に故人の顔を見に行くのはマナー違反
  • 故人との対面をすすめられたら、遺族の気持ちを慮ってお受けするのが礼儀
  • 故人との対面では、深い事情を聞かない・涙を見せないなどの配慮が大切

故人との対面とは、お通夜の際に亡くなった方の顔を拝見することです。お通夜に参列した際には、このように故人と対面する機会を持つことがあります。この対面は、どのような場合でも自由にできるわけではなく、一定の条件と作法が存在します。この記事では、お通夜で故人との対面が許される場合、対面の際の作法やマナーと方法についてご紹介します。

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故人と対面するときは作法を守って

お通夜に参列した際に、故人と対面する機会を得ることがあります。
この時には弔問客は遺族に断りなく、自由に故人の顔を見に行くことはできません。故人との対面は一定の作法に従って行うことが必要です。

遺族に申し出ず、故人と対面するのはマナー違反

対面のきっかけとしては、「ぜひ顔を見てお別れしてやってください」などと遺族の方から対面をうながされることがあります。遺族に何も言われていれないのに、勝手に故人のところへ行ってご遺体と対面するのはマナーに違反しています。

もしも故人との対面をすすめられてはいないけれど、どうしても一目会いたいという場合には、「お顔を拝見させていただいてもよろしいですか?」というように、遺族にその旨伝えてお願いすることもできます。ただし、故人との対面を弔問客側から申し出ることを避けた方がいい時もあります。遺族があまりにも動揺して悲しみに暮れている場合や、事故や自死など亡くなり方によっては遺体がひどく傷ついているなど、遺族が故人の姿を参列者に見てもらいたくない事情があることもあるからです。

その場の雰囲気や、直接遺族に声をかけることがはばかられる場合には、一度葬儀社の担当者に声をかけて、様子を確認してみましょう。

遺族に故人との対面をすすめられたら

遺族から故人との対面をすすめられた場合は、遺族の気持ちを慮って、できるだけお受けするのが礼儀です。ただし、故人の遺体と対面するのに気持ちの上で抵抗があったり、精神的なダメージがあったり、取り乱したり泣いたりしてしまいそうであったりという事情があるときは遺族「お会いするのが辛すぎますので」「まだ悲しみに耐えません」「取り乱すと申し訳ないので」などと率直にその旨を伝えて辞退することも可能です。
遺族から故人に対面することをすすめられ、お受けするときには、「失礼します」「では、お別れさせていただきます」などと言ってから、以下のマナーに従って対面を行います。

故人と対面するときのマナーとかける言葉

お通夜の際には、故人が棺の中に安置されている場合と、お布団の上に安置されている時と、二通りの場合があります。この二通りの場合ではそれぞれ異なる作法での対面が必要です。

棺に納められた故人と対面する場合

まず、故人が棺の中にいる場合は、顔の下の位置で一礼します。棺の扉が開いていたらそのまま近づきます。扉が閉まっていたら、遺族がその扉を開けるのを待って近づきます。対面は、故人はもちろん棺にも手を触れずに行います。

棺に納められる前の故人と対面する場合

これに対して故人のご遺体がお布団の上に安置されている場合は、参列者は故人の枕元より少し下がった位置で正座し、深々と一礼します。次に遺族が故人の顔にかかっていた白い布を外すので、故人の方に近づきます。大切なのは、このように遺族が白い布を外すまで、参列者が勝手に外してしまわないことです。この時は、弔問客は床に膝をつけたまま故人の方に近づきます。
対面は床や足から手を離さずに行います。
いずれの場合も対面の際には、合掌して一礼します。また、対面が終わったら枕元から下がって遺族に一礼します。

故人と対面する際に遺族にかける言葉

対面の後遺族にかける言葉は「安らかなお顔で・・・」「眠っている」といった、安らかでよいイメージのある言葉を選びます。または一言「お悔やみ申し上げます」などの言葉で短く切り上げます。最後には、「ありがとうございました」と、遺族に対してお礼を伝えます。

故人と対面するときの注意点

対面の際には故人や棺にさわらないようにします。また、遺族の気持ちを慮り、冗談などは慎む必要があります。さらに、亡くなった時の様子や死因や病名などの深い事情を遺族に対して聞かないようにします。
他の参列者が待っている場合もありますので、できるだけ短い時間で切り上げ、かける言葉も短くします。

弔問客は、涙はできるだけ見せないようにします。もしも大声で泣いたり取り乱してしまったりしそうな時には、事前に対面を辞退するようにします。
弔問客の側もなんと声をかければいいかわからない場合も多くありますが、「お辛いでしょうけれど気を落とされませんように」など、遺族の気持ちに寄り添うように努めます。

このように決められたマナーはありますが、厳密にすべてのマナーを守る必要はありません。
重要なのは故人の冥福をお祈りする気持ちと、遺族に対するお悔やみの気持ちです。できるだけ遺族の感情や負担に配慮して対応することが重要です。
もし不安があるようでしたら前の人の動作に習って行うようにすれば比較的安心です。

故人と対面するときは敬意を忘れずに

この記事では、通夜に参列する弔問客が故人と対面する際の作法やマナーについてお伝えしました。対面には一定のしきたりが存在しますが、何よりも大切なのは厳密に決まりを守ることよりも、故人へ敬意と遺族の気持ちに寄り添う姿勢です。
葬儀やお通夜のことについて不明なことがある方や、見積りだけでも欲しいという方は随時お問い合わせください。

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