介護認定を受けるとしばらくは在宅での介護サービスを受けますが、在宅での生活が困難になると入所施設でサービスを受けることが多いようです。
入所施設には、さまざまな種類がありサービスの内容や料金が異なります。
そこで代表的な施設を紹介いたします。
特別養護老人ホーム
特養と呼ばれる公的な施設で初期費用はかかりません。介護度の高い方が多く基本的に終身での利用になる方が多いようです。
費用は、介護保険料の自己負担を含め総額で11万円前後が多いのですが、最近の傾向として個室に移行しているため、料金は高額になってきています。
全国的には数が少ないので、申し込んでも何百番待ちになり、なかなか入れません。また、介護度が2以下の人の場合入所が難しくなっています。
介護付き有料老人ホーム
民間が運営しているので料金や形態はさまざまです。介護スタッフが常駐し必要に応じてサービスが受けられます。
一時入居金を設定しているところが多く、百万円台から千万円台、中には億を越える施設もあります。
ほかには介護保険料の自己負担を含む毎月の利用料と、実費負担があります。料金が高いほど施設や食事が充実し介護度の低い人でも入所できます。
一般的に都心部ほど入居金、月の利用料金が高く地方へ行くほど料金が下がります。
場所によっては、入居金が無く利用料が20万円台の施設もあるようです。
住宅型有料老人ホーム
民間が運営している施設で、介護スタッフは常駐せず最低限の見守りだけになります。
介護サービスが必要な場合は外部のスタッフに依頼します。そのため、介護度の軽い人は、介護サービスの利用頻度が低いので1割または2割負担の介護保険料は安くなりますが、介護度の高い人は、頻度が高くなるので介護保険料の上限を超え保険外の自己負担が高くなります。
フレキシブルな施設で自由度が高いので、施設としては増加傾向にあります。
グループホーム
1ユニット5～9人、最大2ユニットまでの認知症対応共同生活施設です。
地域密着型の施設であるため、当該の市区町村の人しか入居できません。
アットホームな施設が多く認知症に特化した機能訓練やレクリエーションを行っています。
一時入居金、保証金を設定しているところが多く月額利用料は、総額で15万円～30万円位が多いようです。
サービス付き高齢者住宅
地域包括ケアシステムとして誕生したのがサービス付き高齢者住宅です。
住みなれた地域で最後のときを迎えることを主軸とし、自宅にいるような状態で介護サービスを受けます。
介護事業所が併設されている施設が多いので、必要に応じて介護サービスをすばやく受けることができます。
自立した生活を前提にしているので自由度の高い生活が送れますが、介護度が高くなると生活するのが難しくなります。
入居する場合、敷金、礼金があり、その他光熱費や食費を含めた月額利用料と介護サービスの1割または2割の自己負担があります。
経費老人ホーム
軽費老人ホームは、A型・B型、ケアハウス（C型）の3種類があります。
家庭での日常生活に近い環境で、最低限の生活支援サービスを受けながら、自立した生活を送ることができるようになっています。
軽費老人ホームは、身寄りがない、家庭環境や経済状況などの理由により、家族との同居が難しい人を市区町村の助成金を受けることで低額な料金で入居できる施設です。
A型は食事のサービスがありB型にはありません。
現在の経費老人ホームはC型のケアハウスが多くなっています。助成金があり、低所得者でも入居できるので人気があります。そのため、空きの無い状態が続いています。
所得の高い人は選択肢があるけれど……
介護入所施設には、さまざまな形態がありご自分の状態と経済状況を鑑み施設を選択しますが、料金に幅があります。
所得の高い人は選択肢がたくさんありますが低い人にとっての選択肢は事実上、特養しかない状況になっています。
そのため、地域によっては千人以上の順番待ちの施設もあります。
団塊の世代が後期高齢者（75歳以上）になる2025年には、特養など低料金で利用できる入所施設が、今以上に足らない状態になると思われます。
しかしながら現在でも都心から少し離れた有料老人ホームは空いているというおかしな状況が生まれています。
また、介護従事者の不足により、新規にオープンした特養でも全面的に運営ができない施設もあります。
特養ができても介護する人がいなければ運営できないのです。
ヒューマンサービスは、人と物が充足しなければサービスの提供ができません。
これからもこの問題が解決するのは難しいかもしれません。