葬儀のときにおこなう答礼の意味や方法などを解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

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答礼とは、弔問にきてくださった参列者の挨拶に対してお礼をすることをいいます。ただ礼を返せばいいというわけではなく、わざわざ参列してくださったことへのお礼や、故人が生前お世話になったお礼を含めた言葉を伝えます。目礼の場合はその気持ちを込めた礼を返すようにしましょう。現在、「答礼」といえば焼香の際の礼を指すのが一般的ですので、焼香の場合を中心として、答礼全般について解説します。

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答礼の意味とは?

遺族は通夜や葬儀などで、お悔やみの言葉をくださった方へお礼を述べたり、目礼に対して目礼を返したりします。このことを「答礼」といいます。

代表的な答礼に「答礼挨拶」があります。仏式の葬儀の場合、遺族や親族、参列者が故人の冥福を祈って焼香をする時間があります。

そこで遺族は最初に焼香を終え、その後、参列者が焼香の前後に遺族に対して行う礼に答えて礼をします。そのことを答礼挨拶というのですが、この答礼挨拶自体を答礼と呼ぶのが一般的となっています。

座ったまま行う答礼のことを「座礼」、立って行う答礼を「立礼」と呼ぶこともあります。

答礼の歴史

以前は自宅で葬儀を行うことが多かったため、焼香や焼香時の答礼は座って行われており、それほど大きな負担ではありませんでした。ところが近年では、葬儀を寺院や斎場で行うことが多くなったため、焼香を立って行うことが主流になりました。

座って焼香を行っていたので、参列者は座ったまま礼をしていたのですが、立って焼香行う場合は立った状態で遺族へ礼をします。そのため、遺族も参列者に合わせて席から立ち上がり、全員分の焼香が終わるまで立ったままで答礼するようになっていきました。

焼香中の答礼

それでは、答礼はどのように行われるのかを、焼香の流れと一緒に確認してみましょう。

焼香の流れ

①参列者は焼香台に向かう前に僧侶や遺族に一礼します。

②焼香台に進み、焼香台に向かって一礼をします。

③右手の親指、人差し指、中指で抹香をつまみ、額の高さまで上げてから香炉におきます。(浄土真宗では額の高さまで上げないので注意)

④遺影に向いて合掌し、前を向いたまま2、3歩下がって僧侶、遺族に一礼します。

⑤向き直って自分の席に戻ります。

答礼を行うのは遺族全員が一般的

参列者が一礼をするとき、遺族はその礼に答えて礼を行い、すべての参列者が焼香を終えるまで自分の席で立ったまま答礼を続けます。また、遺族の焼香が終わった後に、葬儀会社から誘導された場所に立って、そこで答礼を行う場合もあります。

答礼を行うのは遺族全員、つまり生計を共にしていた故人の配偶者、子ども、孫、兄弟姉妹、父母や祖父母などが一般的となっています。

通常、遺族は祭壇に向かって右側の前から血縁順に座りますが、参列者に対して遺族が答礼を返しやすいという事情などから、遺族席が参列者席の方向を向いて向かい合わせになっていたり横向きになっていたりする場合もあります。どちらにしても、きちんと参列者のほうに身体を向けて礼をしましょう。

状況によって変わる答礼の方法

答礼は、参列者の人数が多いほど長時間に亘って礼をし続けることになるので、遺族の身体への負担が大きくなります。そのため、ヘルニアを患っていたりケガをしていたりと、長時間起立した状態でいることが難しい方がいらっしゃる場合は、立ち上がらずに椅子に座ったまま答礼する場合もあります。

また、座ったまま答礼を行う地域もあります。全国すべて同じ、ということはありませんので、不明点があれば葬儀会社に問い合わせましょう。

葬儀を行うことで、遺族は心身ともに疲弊しがちです。立っていても座っていても、きちんと礼をすれば失礼にあたりませんので、答礼を行うことが負担にならないよう無理のない方法で行ってください。

答礼の言葉

最後に、通夜や葬儀受付などで、遺族が個人的に弔問の挨拶をいただいた際の答礼の言葉をご紹介します。厳かな席ですので長々と話し込むことはあまりせず、簡潔に落ち着いて言葉を返しましょう。

具体的には、「ご丁寧なお言葉、誠にありがとうございます」「生前はお世話になりましてありがとうございました」のような、弔問に対するお礼や故人がお世話になったお礼が、自分の知らない参列者の方に対しても話しやすい内容です。

また、「覚悟はしておりましたがやはり残念でなりません」という自分の気持ちを返しても良いでしょう。お礼と心情を組み合わせて「わざわざお越しいただきまして誠にありがとうございます。なにぶん急なことですのでまだ信じられませんが、これも運命だと思っております」などとするのも場の雰囲気を壊しません。

まとめ

答礼は、形よりも気持ちを込めることのほうが重要です。故人との別れにわざわざ駆けつけてくださった参列者の方へ感謝の気持ちを込め、無理のない形で丁寧に礼を行いましょう。また、言葉をかけてくださった方には、場の雰囲気を壊さないよう落ち着いて答礼しましょう。

答礼について不明点がある方や、具体的にどうしたらいいのか聞きたいという方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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