葬儀につきもののお酒について知っておきたいこと

2019年1月6日

葬儀では、お通夜などに参列した後、別室で食事などとともにお酒が振る舞われます。祝いごとではよく使われるお酒ですが、なぜ葬儀で使われるのでしょうか。また、そのようなしきたりはいつごろからあったのでしょうか。ここでは、そうした葬儀での会食やお酒を飲むしきたりがいつごろから行われてきたかを振り返ってみるとともに、葬儀でお酒をいただく場合に気をつけたいマナーについて紹介します。

日本の一般的なお通夜では、弔問客に食事とともにビールなどのお酒が振る舞われますが、これを通夜振る舞いと言います。このほか、葬儀では火葬場から戻った後に初七日法要を行って食事をする場合や、火葬を待つ間に精進落としとして食事を行うなど、お酒を飲む機会が多くあります。葬儀にお酒が出るのはいつごろからあり、どのような意味があるのでしょうか。

酒は生命力の源泉で、死の穢れを遠ざける意味が

古事記や日本書記には日本の古代の葬送儀礼について書かれています。

殯(もがり)と言って、人が死んでもすぐに埋葬せず、喪屋という小屋のようなものを作って、死者が骨化するまでの1~3年もの長い間遺体を安置していたのです。その間、死者の霊を慰めるため死者に食事を供え、死者の霊を呼び戻すために酒食しながら歌ったり踊ったりする歌舞が行われていました。当時、死者の霊はさまざまな災厄をもたらすと思われていて、災厄を防ぐために魂が亡骸から離れていくのを防ぐ、あるいは死者の魂を呼び戻すための一種の呪術であったという説もあります。

お酒が使われる意味ですが、古来、日本では米が生命力の源泉と考えられていて、米から作る酒には死がもたらす穢れを遠ざけるとされてきました。とくに葬送儀礼では死に対して生命の源である米や酒を大量に取り込めば、穢れを寄せ付けないと考えられていたようです。

仏教によって布施の意味から衣食を振る舞うように

その後、仏教が伝来して庶民の間に広がるにつれて、葬儀も仏式で行われたり、火葬が行われたりするようになり、殯を行う機会もなくなっていきました。また、殯の歌舞も次第に仏教の布施の意味が込められていったようです。

仏教の布施とは、菩薩の修行である六波羅蜜の一つで、布施をする人を檀那と言い、仏や僧侶、貧しい人に衣食を施すことによって欲や我を捨てて無欲無我の境地が得られるとされています。故人が生前に残した財物からお酒や料理を出して食べてもらうという布施をすることによって、故人が無欲無我の境地になれると信じられたようです。

このため江戸時代以降、通夜や葬儀の際に門戸を訪れてくる物乞い達にまで小銭や、お酒、おにぎりなどを振る舞った地域もあったようです。
このように、古代の殯の歌舞が、意味合いを変え、今日の通夜振る舞いの形として残ったとされています。

葬儀での会食の意味は弔問客に感謝の気持ちを込めたもてなし

通夜振る舞いの食事は、参列してくれた弔問客に感謝の気持ちでもてなす意味があります。故人をしのび、思い出を語り合うなど仏事の一つであり、飲食を楽しむ場ではありません。本来、肉や魚などを避けた精進料理ですが、最近はこだわらないところが多くなり、死がもたらす穢れを清めるという意味から、日本酒やビールなどのお酒も用意されます。

通夜振る舞い以外にも、会食の場面は複数回あります。亡くなってから7日目の初七日法要が行われた後、四十九日の忌明けの精進落としなどでも会食が持たれます。今日では、葬儀の日にまとめて行われるなど、簡略化されていますが、いずれも僧侶や参列者への感謝の気持ちで行われるもので、ビールや日本酒も出されます。

葬儀における会食でのマナー

このように葬儀では、お酒も出る会食の場面があります。通夜振る舞いの場面を例にとり、気をつけたい会食マナーを以下に列記しますので、参考にしてください。

・通夜振る舞いに声をかけられ場合、故人をしのぶ意味でもできる限り参加する
・参加したら、故人の供養となるので一口でも箸をつける
・お酒は飲んでも、飲み過ぎて酔っぱらったり、大きな声を出したりしないよう、節度を守る
・故人や遺族と親しい場合を除いて、長居はできるだけ避けて30分程度で退席する
・通夜振る舞いにどうしても出られない場合は、遺族や世話人に必ず挨拶をして帰る
・途中退席の場合は、隣の人に挨拶をして、目立たないように退席する
・献杯をする場合は、飲み物が入ったグラスなどを高く掲げず、前に差し出して静かに発声する
・近くの人のグラスとならし合ったり、献杯の後に拍手をしたりしない
・遺族に死因を尋ねない
・名刺交換など仕事の話をしない

なお、会場まで車を運転してきた方は、アルコールを飲んだら車の運転はできません。

まとめ

葬儀でいただく酒食には、古から人々のさまざまな思いが込められていました。今日、死による穢れを寄せ付けないという意味や、生命力の源泉としてのお酒をいただくという意味、あるいはお酒を布施として飲んでいただいて無欲無我を願うという意味などを知らない人も多いことでしょう。しかし、葬儀での会食に参加されたとき、故人をしのぶとともにお酒が昔から儀式に使われた意味に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
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