2018年10月20日に逝去された実業家、石川勝三氏の葬儀が10月30日、秋田県大仙市の大曲エンパイヤホテルで執り行われました。大曲商工会議所で会頭を務めたほか、社会福祉法人県南ふくし会理事長として地域の経済や福祉の発展に貢献した故人とのお別れに、500名もの方々が集まりました。喪主は長男の浩範さん。葬儀施行は合資会社 花王堂大曲葬儀社です。
祭壇は故郷の象徴、大曲の花火
式場に飾られた生花祭壇が表したのは、街中を流れる丸子川にかかる橋、丸子橋から大平山を望んだ風景をモチーフにしています。
この風景は、昭和初期にドイツから亡命した建築家、ブルーノ・タウトも絶賛した景色で、その著書『日本美の再発見』に記されたことでも知られています。今回、祭壇のデザインにあたって、地域をこよなく愛し、その発展のために尽力した故人のために、この大曲を象徴する風景を形にしたかったそうです。
こちらが実際の橋の風景。
祭壇と比べてみても、見事に再現されているのがわかります。
さらに、祭壇に向かって左手には、同じく大曲を象徴する夏の風物詩、花火も添えられました。故人も毎朝の散歩で眺めていた橋の上から、「日本三大花火大会」のひとつとも数えられる大曲の花火を眺めた景色に、会場を訪れた参列者からは驚きの声も上がりました。
祭壇のサイズは幅9m、高さ2.6m、奥行き1.8m。使用した花は、白菊1,180本、白SPマム690本、白小菊200本のほか、オリエンタルユリ、トルコキキョウ、カーネーション、レナンセラレッドなど。生花祭壇の企画デザインは花王堂大曲葬儀社、制作は株式会社エヌケーフローリストです。
伝統の儀式と遺族に寄り添った葬儀を実現
葬儀は故人の曹洞宗の儀式に則って執り行われました。役僧も含め5人の僧侶が読経する中、厳かに式が執り行われています。この地域の風習では四十九日法要まで自宅にも祭壇を飾る風習がありますが、今回の葬儀では、こうした地域に伝わる伝統的な風習も大切にした儀式になったそうです。
一方で、施行を担当した花王堂大曲葬儀社の特徴でもある、故人と遺族とのお別れの儀式も、取り入れています。
これは、葬儀を「故人への感謝の想いを伝える場」とする同社の葬儀には欠かせないもので、遺族が自然な形で故人への「ありがとう」を伝えられるものです。
故人への感謝をきちんと伝えることで、遺族の記憶の中に、葬儀の価値を刻み込むことができます。さらに小さな子どもも参加できるため、葬儀文化の次世代への継承にもつながるというメリットもあります。
粋な法被が並ぶ、メモリアルコーナー
故人の想い出の数々が並ぶメモリアルコーナー。
「大曲」の文字が染め抜かれた法被も粋ですね。
故石川勝三儀 葬儀 式次第
導師入場
読経
導師引導法語
焼香
導師退場
弔辞(曹洞宗大本山總持寺管主 江川辰三大禅師猊下、大曲商工会議所 会頭 佐々木繁治、社会福祉法人県南ふくし会 理事長 黒丸長雄、元秋田県議会議長 辻久男 ほか)
弔電披露
喪主挨拶
閉会の辞
まとめ
地域の発展に尽力した故人への感謝を伝えるために、地域性を大切にした社葬。会場であるホテルでのお別れと、自宅での供養。社葬やお別れの会の本来の姿がここにあるのかもしれません。また、若い世代にただ儀式ではなく、お葬式の意味とその大切さを伝えていく。そんな葬儀社の姿勢は、今の時代、まさに必要とされていることなのではないでしょうか?
いい葬儀では、社葬やお別れの会などのご相談も承っています。お気軽にお問い合わせください。