遠方から葬儀に来てもらう場合の対応

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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遠方から葬儀に来てもらう場合の対応とは、どのようにすればよいものなのでしょうか。近隣の参列者の方よりも気遣いが必要なのかなど、気になる部分もあるでしょう。
交通費や宿泊費といった費用を負担したほうが礼を尽くすということになるのでしょうか。また、お香典をもらった場合やお返しに関しても、迷うことが多いと思います。

今回は、そんな遠方から葬儀に来てもらう場合の一般的なマナーについてご紹介していきます。

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遠方からの参列者に交通費、宿泊費は必要?

突然の不幸に、忙しいのにもかかわらず、遠方から来てもらった親戚や友人の方に、その交通費や宿泊費はこちらが負担する必要があるのでしょうか。

交通費や宿泊費は参列者の負担

遠方から来てもらった方には、喪主側が交通費や宿泊費を負担するほうが礼を尽くしているように思えます。しかし、葬儀の場合は参列者が負担することが一般的なマナーとなっています。

結婚式や祝賀パーティーなど慶事の場合は、主催者側が招待することになりますので、「お車代」などとして交通費を渡すことが一般的です。

一方、葬儀の場合は、故人に縁のある方々がお悔やみのために参列するという儀式です。参列者の意思で出席する意味合いが強いので、それにかかる費用は参列者が負担するのが通例となっています。

費用は参列者負担でも、宿泊先の手配を喪主側がする場合も

上記のように、参列者が葬儀に出席するのはその方の意志という意味合いから、宿泊が必要な場合の宿泊費も参列者の負担とするのがマナーとなっています。

しかし、参列者にとって慣れない地域に来る場合、式場と宿泊先の位置関係など、土地勘がないためにわからないことも多くあるでしょう。

そのような場合は、あらかじめ参列者の方と打ち合わせをして、喪主側が宿泊先の手配をすることも考えておきます。式場までのアクセスや行き帰りの便利さなどを考慮して、宿泊先を選びます。宿泊費は各自で払ってもらうので、高級過ぎず、安過ぎないホテルなどがよいでしょう。

ただし、都市部では日程によっては宿泊先の確保が難しい場合もあります。葬儀社の多くは宿泊先の手配もしてくれるので、問い合わせをしてみるのもよいかもしれません。また、式場によっては、宿泊施設や仮眠用の設備が併設されているところもありますので、遠方からの参列者が多い場合はそのような式場を検討してみてもよいでしょう。

遠方からの参列者とお香典について

遠方から来てもらって、交通費や宿泊費も負担してもらっているのに、さらにお香典をもらう。これは、非常に心苦しく感じる方もいるかもしれません。

このような場合、お香典を辞退するのはマナー違反なのでしょうか。

遠方の方でもお香典はもらうほうがよい

お香典の意味合いは、故人や家族に対する弔意のあらわれです。遠方から来て費用がかかっているからといって、辞退することは反対に失礼に当たる場合もありますので、お受けしておくほうがよいでしょう。

辞退する場合は参列者全員から

故人の故郷などから多くの遠方参列者が来るとき、どうしてもお香典を辞退する場合は、葬儀の案内状などに「お香典を辞退させていただきます」という旨を記載しておきます。この場合、特定の参列者からは辞退し、別の方からは受け取るといったことがあると、後々のトラブルにつながる可能性があります。辞退する場合は、参列者全員から辞退するということを徹底します。

ただし、葬儀費用との兼ね合いもありますので、慎重に判断してください。

遠方からの参列者へのお返しはどうする?

通常、参列者の方へのお返しとしては、受付でお茶やお菓子などを渡すのが一般的でしょう。しかし、飛行機で来たり、列車を乗り継いで来たりした遠方の方には、そのお返しだけでは心苦しい場合もあるかもしれません。そのようなときはお金を渡したくなりがちですが、「お車代」のように現金を渡すのは、失礼に当たる場合もあります。

最近では「香典返し」が減少

お返しは葬儀後に渡す即返しが主流となっています。
お香典の額に応じて、四十九日が過ぎてから改めて行う香典返しは、あまり見られなくなりました。

遠方の方にも同様に、葬儀後に用意してあるお返しの品物を渡すのが一般的な対応となります。遠方からの参列者に限らず、持ち帰りの時の負担を考えて、返礼品にはかさ張らないものを選ぶという喪家もあります。さらに好みのものを選んでもらえるといった理由からカタログギフトを用意するケースもあります。

感謝を込めてお中元やお歳暮を贈る

遠方から参列してもらったからといって、あまり特別なことをすると、参列する方も気を遣ってしまいます。感謝の気持ちを表す方法としては、さまざまなことがひと段落した時期に、お中元やお歳暮というかたちで品物を贈るという方法もあります。

先方もお中元、お歳暮の時期なら過度な気遣いをしなくて済みますし、感謝の気持ちも充分に伝わるのではないでしょうか。

地域でマナーが違うことも

これまでご紹介してきたマナーは、あくまで一般的なものです。日本では地域によって葬儀のマナーが大きく違うこともありますので、葬儀を担当する業者などにも確認しておきましょう。

まとめ

今回は、遠方からの参列者への対応についてご紹介しました。葬儀には親戚や友人など、さまざまな方が参列します。喪主側とすれば、参列した方々全員に礼を尽くして対応したいと思うことでしょう。

しかし、葬儀での対応方法やマナーにはわかりづらいことも多くあります。また、初めての場合は葬儀の段取りなどで悩むことがあるかもしれません。もしお困りごとや相談したいことがある場合は、お気軽にお問い合わせください。

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