介護職への就職。まずは資格を取ってから?資格を取る前に働く?

今回は、介護の仕事に就く前に、介護系の資格は必要なのか?について話をしたいと思います。

Adsense(SYASOH_PJ-195)

資格を取ってから働くか、取る前から働くかは、人によって異なる

私は、『すぐにでもお仕事をしたい!』という方には、資格を取得する前に、就職活動をおすすめします(無資格で働ける職場を紹介します)。

『働きたいけど、「すぐ」ではありません。不安を解消して準備をしたい。』という方は、資格の取得をおすすめします(この場合は、介護職員初任者研修を紹介します)。

その他『ホームヘルパーの仕事をしたい』という場合は、資格が必要になりますので、介護職員初任者研修の取得を紹介します。

必要になるまで無資格でいいと思う理由

介護資格の取得にはそれなりの時間と金額がかかります

私は個人的に、自分自身で資格が必要だ!と思うまで、資格を取得しなくても良いのではと考えています。

というのも、資格の取得には、それなりの時間と金額が掛かりますので、介護の仕事が自分に向いているのか?を知る為に、受講するのはやり過ぎではないかな?と思うからです。

なお、資格を取得する場合は、ご自身のお住まいの市区町村や都道府県、ハローワークなどに相談に行くと、資格の取得の助成制度が見つかるかもしれません。

ただ、制度によっては、個人への助成ではなく、会社の従業員への助成になるケースもあるため、就職してから、会社が申込みをすることで、助成されるものもあります。

求職者によっては、えいや!と介護の仕事を始める人も居ますし、慎重に資格を取得してから求職活動をする人が居ます(現在、違う仕事をしている人が多いでしょうか?)。ご自身の納得するやり方で、資格とお付き合いされると良いと思います。

数年前は、求職時に、資格が無いと・・不利だと言われていましたが、最近は、そのような話をあまり聞かなくなりました。

もし資格を取るならどんな順番がいいか?

さて、初めての方が、資格を取得する場合、どのような順番が良いでしょうか?

  1. 介護職員初任者研修(130時間)
  2. 介護職員実務者研修(320時間)*1)を受講しない場合は450時間
  3. 介護福祉士(国家資格)
  4. 介護支援専門員(ケアマネジャー)

以前は、ヘルパー1・2・3級という資格がありましたが、現在は新規の募集をしていませんので、ヘルパーの2級が1)初任者研修に、ヘルパー1級が2)実務者研修に変更されています。

本来であれば、1)→2)→3)→4)と順番に取得するのがよいのですが、ハローワークなどで紹介されると、1)を除いた、2)→3)→4)というコースになる場合があります。

1)は介護の基礎的な資格です。ホームヘルプサービスの身体介護を提供することが出来ます。なお、この研修を取得すると、実務者研修は450時間→320時間に講義時間が減ります。

要するに、実務者研修は、保有資格によって講義時間が異なるのです。保有資格がなければ、450時間になります。

ただ、実務者研修は、介護サービスの経験者を対象にして、講義内容が組まれているので、1)と2)の間隔を開けた方が、受講する側のメリットは大きいと思います。実務経験を経て、介護過程などの講義が、よりリアルに理解出来ると思います。

とはいえ、ハローワークで職業訓練として、この実務者研修を受講する初心者の方は(訓練期間は半年)、初任者研修の内容も含めて、勉強することになります(そのため1)が省略されます)。

介護の新しい資格について

最近は、この資格の他に、各自治体で、生活支援員、生活支援の担い手もしくは生活支援ボランティア(名称はさまざまです)と呼ばれる資格者を養成しています。

これは、総合事業の訪問介護のサービスの1つ、「生活支援サービス(買物、洗濯、掃除などの生活援助を提供するサービス)」を提供する資格です。

この資格は、基本的には取得した自治体のみで有効となります(一部提携を結んでいる他自治体でも、有効となることもあります)。勉強時間は10~20時間程度です。

例えば、大田区で取得すると、基本的には、大田区のみで、生活支援サービスに携わる様なイメージです。

資格を取る、取らないの3つのまとめ

現在、この実務者研修を取得しないと、介護福祉士の受験が出来なくなっています。

この新しいルールになり、残念ながら、昨年度(28年度)は受験生が半減しましたが、たぶん今年度(29年度)は、ある程度受験生が戻ってくると思われます。

ですから、介護初心者の方は、
0)無資格で働く
1)介護職員初任者研修を受けて、働く
2)介護職員実務者研修を受けて、働く
という3パターンがあります。

資格を取得したければ、1)2)ですね。

キャリアアップ資格について

次に、キャリアアップの資格は、何があるでしょうか?

現時点では、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、相談員資格(社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格)でしょうか。

ケアの国家資格「介護福祉士」の受験には、実務経験(実際に介護現場で働く)が3年間、必要になります。

こちらは、1095日(3年間)以上のうち、働いた日が540日以上となっています。だいたい週3~4ペースで3年間働くと、540日を超えます。3年で540日に達していない場合は、もう1年追加して、4年間で540日を超えたら受験することになります。

この実務経験は、働いている会社(働いていた会社)から実務経験証明書を発行してもらいます。

そして、この実務経験3年と実務者研修の修了が、介護福祉士の受験要件になります。この介護福祉士に合格すると、この業界で働き続けようと決める人が増えると思います。

ケアマネージャーの資格受験には最低8年必要

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格取得

中には、利用者のケアプランを作成する「ケアマネジャー」を目指す人も居ます。

この介護福祉士に合格して登録をし、さらに実務経験5年を重ねると、介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験を受けることが出来ます(この介護福祉士を取得してから5年の要件は、来年度(30年度)の試験から適用になります)。

現時点では、ケアマネの試験を受けるまで、実務経験3年(介護福祉士)+実務経験5年(ケアマネジャー)=最低8年が必要になります。なかなか先の長い話ですね・・。

相談員資格の社会福祉士、精神保健福祉士はどちらも国家資格で、大学や専門学校での勉強が必要になります。社会福祉主事任用資格は、相談員資格の中では比較的取得しやすい資格です。大卒の方は、この任用資格に該当しているかもしれません。また、通信教育でも取得出来ます。

何かご意見がございましたら、お気軽におしらせください。

自分に合った職場の探し方

1)あなたは、どんなご利用者を介護したいですか?

この質問が一番大切なのですが、答えるのが一番難しいかもしれません。これは、「志望動機」になりますし、実習・ボランティアなどを体験しないと、なかなか実感出来ないかもしれません。

あなたがサービスを提供したい人は誰か?をイメージしてみて下さい。
どんなご利用者だったら、あなたの能力を100%発揮、出来るでしょうか?

2)夜勤はできますか?

夜勤がOKとなると、サービスの幅も、給与の幅も広がります。ただ、夜勤は少人数で対応することもあり、ある程度の経験や、1人でも大丈夫という度胸が無いと、最初から働くにはハードルが高いかもしれません。ご利用者の丸ごとの生活を、サポートしたい!のであれば、おすすめです。

3)在宅ケアと施設ケアどちらをしたいですか?

まず、大雑把に介護の仕事を分けると、以下の2つになります。

・ 在宅ケア(デイサービス、ホームヘルプ、訪問入浴など)
ご利用者は、ご自宅に住んでいて、日中にサービスを利用する、夜勤がないサービスが多い(一部のみ夜勤があります)。利用者は1人で動ける人が多い、生活上の困りごとの一部を手伝う

・ 施設ケア(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設、有料老人ホーム
ご利用者は、施設に住んでいて、24時間サービスを利用する夜勤がある。利用者は1人で動くのが難しい、生活上の困りごとの多くを手伝う

* 在宅ケアの中でも、特に地域密着型サービスには、1日24時間が基本のサービスもあります(小規模多機能型居宅介護など)

* 施設ケアでも、通所介護を併設しているところもありますので、希望すれば、在宅ケアに関わることも出来ます

4)数年ごとに、職種や職場を変えたいですか?

最近は、複数のサービスを展開している法人さんも増えていますので、キャリアアップのために、数年毎に職種や職場を変えたいという希望も叶えられます。そのような法人さんを探すのも手だと思います。

5)通勤時間は、自宅から何分までを希望しますか?

介護の仕事を探す方は、ご自身がすでに育児や介護をしている方も多く、自宅から近い職場を選ぶという特徴があります。

この記事を書いた人

橋谷創(橋谷社会保険労務士事務所代表、株式会社ヴェリタ/社会保険労務士・介護福祉士)

葬儀・お葬式を地域から探す