互助会の葬儀とは – 仕組みとメリット・デメリット

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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結婚式や葬儀をはじめとした冠婚葬祭には、多額の費用がかかります。特に葬儀は急な出費となるため、多くの人が困っているのが実情ではないでしょうか。

そんな中で、冠婚葬祭に備えるために一部の人が加入しているのが冠婚葬祭互助会(互助会)です。

ここでは、互助会の葬儀の特徴やそのサービスの仕組み、メリット・デメリットについてご紹介します。

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互助会とは

互助会とは、冠婚葬祭互助会の略です。毎月一定金額を積み立てることによって冠婚葬祭を行うときにサービスが受けられるというシステムです。ある意味、保険と似たイメージですが、現金ではなくサービスを受け取るところが大きな違いです。

毎月の支払額は1,000~5,000円ほどで、一括で前払いすることもできます。

このように冠婚葬祭に備えて少しずつ支払いを行うことで、いざというときの負担が大幅に軽減されます。互助会のシステムは戦後、日本全体が貧しかった時代に誕生し、現在でも多くの人が互助会に加入しています。

互助会の仕組み

互助会というサービスは、「助け合いの精神」をもとに生まれました。会員のひと月の掛け金が3,000円だとしても、集まれば大きな金額となります。こうして集まったお金は前受け金と呼ばれ、この前受け金で結婚式やお葬式に必要な設備や備品を揃えることで、安価でのサービスを可能にしているのです。

互助会の会員は一斉に冠婚葬祭を行うわけではなく、毎年一定の割合でサービスを利用していきます。会員が出し合ったお金で準備したサービスを必要になった人から順番に利用していく、合理的な仕組みだといえるでしょう。

互助会の葬儀とは

互助会の葬儀とは

冠婚葬祭互助会の提供するサービスは、葬儀だけでなく、結婚式もあります。しかし、現在少子高齢化が進む日本では、冠婚よりも葬祭にその事業の中心はシフトしています。

葬儀の施行件数は、日本全体で行われている葬儀の4割ほどが、冠婚葬祭互助会で執り行っています。互助会全体では、会員件数は2,300万件以上、前受け金は2兆4,000億円を超える規模といわれています。

互助会のメリット

急な出費に備えられる

結婚式は時間をかけて準備できるのに対し、葬儀はある日突然訪れます。

予定外の出費に、四苦八苦する人も多いことでしょう。しかし、互助会に加入して資金を積み立てておけば、突然の葬儀における経済的負担をおさえることができます。

会員特典がある

互助会の会員は、本来の価格よりもお得にサービスを受けることができます。

互助会に入会していなくても同じサービスを利用することはできますが、会員と比べると割高になります。

また、冠婚葬祭以外のさまざまな会員特典がついてくる場合もあります。会員特典の内容は決まっていますが、そこから希望があれば費用を追加してグレードアップする事も可能です。

家族全員がサービス対象になる

会員としてのサービスを受けることができる範囲は、各互助会や契約の内容にもよります。

同居している家族の1人が互助会に加入している場合、他の家族も同様にサービスを利用できるというのが一般的です。つまり、父親名義で互助会に加入している場合でも、子どもが結婚式を挙げるときにサービスを受けられるのです。

なお、家族と同居していない場合でも「親族間利用申請」を行うことで、サービスの利用が可能になる場合もあります。詳しくはそれぞれの互助会の窓口に確認しましょう。

設備が整った会館を利用できる

多くの場合、互助会で準備している会館、斎場は設備が充実しています。冠婚葬祭の質にこだわりたいという人も、満足のいく結婚式や葬儀ができます。

また、冠婚葬祭互助会では結婚式の運営で培ったノウハウやサービスを葬儀でも活用できるという強みもあります。

規模の大きな企業も多く、葬儀の施行だけでなく、飲食や返礼品などの製造もグループ企業で行うことで、一貫したサービスを提供するところもあります。

互助会のデメリット

どんな仕組みでも、メリットがあればデメリットもあります。互助会に加入するときには、デメリットについても把握しておく必要があります。

お金の自由度が下がる

互助会で積み立てたお金は、サービスという形で戻ってきます。そのため、積立金は自由に使うことができなくなってしまいます。

プランが限定されている

互助会で用意されている結婚式プランや葬儀プランは、限定されてしまいます。全体的に低価格のプランは少なく、高価なプランが多く用意されているといえます。そのため選択の自由が利かず、希望どおりの葬儀が行えない場合もあります。

積立金のみで葬儀が行えるわけではない

毎月積み立てを行っていても、それだけでは葬儀費用のすべてを賄えない場合があります。仮に積立金だけで葬儀を行ったとしても非常に規模の小さな葬儀、またはグレードの低い葬儀になる可能性もあります。

そのため、たとえ互助会での積立金の支払いが終わっていたとしても、希望に合わせた葬儀を行うには、追加費用を払うためのお金を準備しておく必要があります。場合によっては100万円単位の追加料金が必要になることもあるようです。

互助会が破綻する恐れがある

互助会の運営がうまくいかなければ、当然ながら経営が破綻してしまいます。その場合、積み立てた半額のみの返還が保証されています。

途中で解約するときには、それまでに積み立てた金額から解約手数料等を差し引いた金額が返還されます。全額返還されるわけではないということに注意しましょう。

万が一解約するときのために、加入するときには必ず解約手数料を確認するようにしておくとよいでしょう。

トラブルにあった場合の対応方法

互助会の葬儀でトラブルにあった場合の対応方法

互助会に加入して、何かしらのトラブルに見舞われることもあるかもしれません。よくあるトラブルとしては、なかなか解約ができない、解約手数料が高すぎる、などがあります。

このような場合は、まずは契約書をよく読んでから互助会側と交渉してみてください。交渉で解決できなければ、国民生活センターあるいは消費生活センターに相談してみるといいでしょう。

互助会解約とは?解約の手順や互助会解約のメリットとデメリットなどについてご説明します。

>>互助会解約とは?解約の手順や互助会解約のメリットとデメリットなどについてご説明します。

互助会には加入したほうがいいの?

上記のようにメリットもデメリットもある互助会。加入した方がいいか迷うこともあるでしょう。

最近では自分のことは自分で準備する方が増えており、互助会の会員であればいざという時に周りに迷惑をかけずにすむ事があります。会員に加入しておけば、葬儀社選びで遺族が迷うことが少なくなるほか、本人以外の家族の登録もでき利用可能です。残された遺族の事を考えると、加入をしておくのも1つの選択肢かもしれません。

まとめ

互助会とは、まとめ

お葬式は決して安いものではありません。それに備えた事前準備は必要だといえます。

どのような葬儀がしたいのかをよく考えながら、互助会の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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