命日の基本マナー。お供え物の正しい選び方と注意点

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

命日の基本マナー
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  • 命日とは故人が亡くなった日を指し、祥月命日と月命日がある
  • 命日のお供え物の定番は、お菓子・果物・お花・線香の4つ
  • 常温保存できて日持ちしやすく、わけやすい品物が喜ばれる

命日とは故人が亡くなった日のことで、毎月の同日を月命日、年に一度の同月同日を祥月命日と呼びます。祥月命日には年忌法要を行うことが多く、参列者はお供え物を持参するのが一般的です。

命日のお供え物は、故人の好きだったものをただ贈るのではなく、ご遺族に配慮して選ぶのが大切。また、のしの書き方や渡し方など、お供え物に関する最低限のマナーをおさえておきましょう。

この記事では、命日にふさわしいお供え物の選び方とマナーを解説します。

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命日とは

命日とは、故人が亡くなった日

命日とは、故人が亡くなった日を指し、「忌日(きじつ・きにち)」とも呼ばれます。命日は故人を偲ぶ日とされていて、親族や友人が集まり、故人を弔うのが一般的です。

また命日には、「祥月命日(しょうつきめいにち)」「月命日(つきめいにち)」、2つの種類があります。

祥月命日とは

祥月命日は、故人が亡くなった月日を指し、年に一度巡ってきます

祥月命日には、一周忌や三回忌、七回忌といった「年忌法要」を行うのが一般的。その他、仏壇の掃除やお供え、お墓参り、塔婆供養などを行います。

月命日とは

月命日は、故人が亡くなった日を指し、月に一度巡ってきます

月命日には、お仏壇の掃除やお供えをして、故人にお線香をあげるのが通例。地域によっては、お墓参りをしたり、お経をあげてもらったりする「月参り」を行います。

命日にふさわしいお供え物

命日にふさわしいお供え物(お菓子・果物・花・線香)

命日のお供え物に厳格な決まりはありませんが、「故人の好きだったもの」を選ぶのが一般的。お供え物は「お下がり」として後日家族がいただくため、故人だけでなく、遺族の都合や手間を考えて用意するのが大切です。

また命日のお供え物は、一周忌や三回忌、七回忌など、祥月命日の法要にあわせて贈ります。事前に遺族に郵送する日時を伝え、法要の2〜3日前には到着するよう手配しましょう。

ここからは命日にふさわしいお供え物を紹介します。ぜひ参考にしてください。

お菓子

  • 常温で保存できる
  • 日持ちする
  • 個別包装されている

命日に贈るお供え物の定番といえば、お菓子です。
仏壇にお供えするため、常温で保存できるお菓子を選ぶのは基本。またお供えしたあと、遺族が食べたり身近な人に振る舞ったりするため、日持ちしやすい個別包装のお菓子がおすすめです。

具体的に、お供え物のお菓子で人気なのは、クッキーやカステラ、マドレーヌなどの焼き菓子。和菓子なら、まんじゅうや羊羹がよく選ばれています。その他、お子さんが食べやすいゼリーも適しているでしょう。遺族の家族構成をふまえて、子どもが多いなら焼き菓子やゼリー、お年寄りがいらっしゃるなら和菓子を贈ると喜ばれるかもしれません。

ちなみに故人の好物を選ぶのが好ましいですが、生菓子は賞味期限が短かったり、要冷蔵だったりするため、できる限り控えましょう。

果物

  • 傷みにくく、日持ちする
  • 複数人でわけられる
  • 個数は割り切れない奇数にする

果物は、お菓子と同様、代表的なお供え物のひとつ。

故人が好きな果物や旬の果物を選ぶのもよいですが、傷みにくく複数人でわけやすい果物がおすすめです。ちなみに丸い果物は縁起がよいとされているため、メロンやリンゴがよく選ばれています。

またお店によっては、予算にあわせて果物を箱詰めや籠盛りにしてくれます。「故人との縁を切る」という意味を避けるため、果物の個数は割り切れない奇数にしてください。

  • 日持ちする
  • 白色・黄色・青色・紫色など
  • トゲ・香りのある花や鉢植えはNG

命日のお供え物に、花を贈るのもおすすめです。故人の好みにあわせて選べば問題ありませんが、白や黄、青、紫色で日持ちする花がよく選ばれています。和花ならキクやリンドウ、シャクヤク。洋花ならユリとカーネーションが人気です。

ただし、バラをはじめとするトゲのある花や香りの強い花、鉢植えは仏花にふさわしくないため、避けるようにしましょう。

お線香

  • 香りが控えめ
  • 煙があまり立たない

一人暮らしや同居する家族の少ないご遺族には、消耗品のお線香を贈るのもひとつの手。お線香は、香りや煙の立ち具合などが違う、さまざまな種類が販売されています。

ご遺族の住宅環境や健康状態を考慮しつつ、香りが控えめで、煙があまり立たない線香を選ぶのが無難です。

命日にふさわしくないお供え物

命日に避けるべきお供え物(肉と魚・お酒・大きいものかさばるもの重いもの)

命日のお供え物には、避けた方がよいとされている品物があります。うっかり選んでしまわないように、命日にふさわしくないお供え物を確認しておきましょう。

肉と魚

殺生を連想させる肉と魚は、お供え物にふさわしくありません。

四足歩行をする動物の肉や生の魚は、「四つ足生臭もの」と呼ばれ、古くから避けられています。また、単純に生ものは傷みやすいため、お供え物には向いていないでしょう。

お酒

お酒は、「お神酒(おみき)」としてお供えすることの多い品物。故人がお酒好きだった場合には、お供え物によく選ばれています。

ただし、遺族がお酒を飲まないのであれば、命日のお供え物には避けた方が無難。お酒は重くて場所をとりますし、遺族が扱いに困るかもしれません。

大きいもの・かさばるもの・重いもの

スペースをとる大きいものやかさばるもの、持ち運びが大変な重いものは、ご遺族の迷惑になるかもしれません。邪魔にならないのはもちろん、遺族がお供え物をわけやすい品物を選ぶのが大切です。

命日のお供え物の相場金額

命日のお供え物の金額相場
お供え物のみで3,000円〜5,000円

命日のお供え物の相場金額は、故人や遺族との関係性によって変わります。

ただ一般的には、お供え物のみであれば3,000円〜5,000円ほどが相場。故人が身内にあたる場合は少し金額があがり、10,000円〜30,000円のお供え物を選ぶ方が多いようです。

お供え物にかける金額は、安すぎると配慮に欠け、高すぎると遺族に気を遣わせてしまうので注意が必要。また地域によっては、お供え物と現金を贈る風習があるため、親戚や近所の方に一度相談しておくと安心です。

命日のお供え物ののしの書き方

命日のお供え物ののし
のし紙:双銀か黒白で結び切りの水引
表書き:「御供」または「御仏前」
名前:贈り主のフルネーム

命日のお供え物には、のし紙をつけるのがマナー。双銀または黒白で、結び切りの水引がついたのし紙を選びます。関西地方では、黄色の水引を使う地域もあるため、事前に確認しておきましょう。

お供え物ののし紙には、黒の墨で表書きと贈り主の名前を書きます。水引の上段に「御供」または「御仏前」、下段にフルネームを記入しましょう。

命日のお供え物の渡し方

命日のお供え物は、年忌法要のタイミングで遺族に贈るのが基本。

自宅に伺う場合は、誰に贈られたお供え物かすぐわかるよう、包装紙の上にのしをつける「外のし」で包みます。まず仏壇にお参りしたあと、「仏様にお供えしてください」と遺族に伝えて渡しましょう。遺族に断りなく、勝手にお供え物を置くのはマナー違反です。

お供え物を郵送する場合は、のしが破れたり汚れたりしないよう、包装紙の下にのしをつける「内のし」で包みます。また、お供え物には遺族への手紙を添えて贈るのが丁寧です。

命日にかける追悼の言葉

命日にかける追悼の言葉の例
〇〇(故人)様の命日にあたり、心より追悼の意を捧げます
お悔やみ申し上げます
ご冥福をお祈り申し上げます

故人の命日に遺族と顔をあわせたら、追悼の言葉を添えるのが丁寧です。

  • 追悼の意を捧げます
  • お悔やみ申し上げます
  • ご冥福をお祈り申し上げます

など、簡潔にお悔やみを伝えるのがベスト。また、死や不幸を連想する「忌み言葉」や「重ね言葉」は、縁起が悪いので使わないよう注意してください。

一方で、故人が亡くなって数年経っているなら、お悔やみの言葉は使わないのがマナー。ご遺族の健康を気遣ったり、何か手伝えることはないか聞いたりすると喜ばれるでしょう。

命日にやってはいけないこと

  • 命日直前に法要の案内をする(参列の返事をする)
  • タブーとされているお供え物を供える
  • 派手な服装をする
  • 香りの強い香水をつける

前述したとおり、故人の命日には遺族が年忌法要を行うことが多いです。命日直前に案内をすると、準備が間に合わなかったり人が集まらなかったりするかもしれません。

遺族は1か月ほど余裕をもって法要の案内を出し、参列者は早めに出欠の返事をしましょう。

また命日のお供え物に、タブーとされている品物を贈るのはNG。肉や魚、お酒、大きくて重いものなどは避け、遺族に配慮した品物を選ぶのが重要です。その他、派手な服装をしたり香りの強い香水をつけたりして、法要に参列するのは避けましょう。

命日のお供え物に関するよくある質問

命日にふさわしいお供え物は?

  • お菓子
  • 果物
  • お線香

命日のお供え物によく選ばれるのは、お菓子や果物、花、線香など。

故人の仏壇にお供えするので、常温で保存できて日持ちしやすい品物を選ぶのが基本です。またお菓子は、遺族がお供え物をわける可能性があるので、個包装だと喜ばれます。

命日に贈るお供え物の相場は?

命日のお供え物の相場金額は、お供え物のみで3,000円〜5,000円。故人が身内なら、10,000円〜30,000円のお供え物を選ぶ方が多いようです。

ただお供え物の相場は、故人や遺族との関係性によって変わります。また地域によっては、お供え物と一緒に現金を贈る風習があるため、周囲に一度確認しておきましょう。

命日にやってはいけないことは?

  • 命日直前に法要の案内をする(参列の返事をする)
  • タブーとされているお供え物を供える
  • 派手な服装をする
  • 香りの強い香水をつける

命日にやってはいけない代表的なことは、こちらの4つです。

一周忌や三回忌などの年忌法要に参列するときは、できるだけ早く返事をするのはもちろん、派手な服装や香りの強い香水は避けること。

また、タブーとされている生肉やお酒、大きくて重たいお供え物は選ばないようにしてください。

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