副葬品に込められたさまざまな思い【お葬式あらかると】

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故人と一緒に埋葬されるものを副葬品といいます。昔はあの世での生活に困らないように納められたり、または死後の復活を信じて納められたり、権力者の場合はその地位に相応しいとされる金銀財宝が埋葬されたものでした。

副葬品は考古学的にみても埋葬当時の文化習俗を知る手がかりとして大変貴重な資料となっています。副葬品のことを「タイムカプセル」と称した人がいたのも頷けます。

現代の副葬品の考え方は昔とは少し違います。

お墓に入れるというより、棺の中に入れて故人を送り出すという考え方になり、基本的には火葬が前提。故人を棺に納める「納棺の儀」や、出棺前に別れ花を手向ける「お別れの儀」などで、それぞれが故人にまつわる思い出の品や写真、手紙などを入れていきます。

ある葬儀では、お祖父さんが好きだったというあんころ餅とキュウリの漬物をお祖母さんが作って棺の中にしのばせていました。
別の葬儀では、病床に飾られていた色とりどりの千羽鶴の紐をといて、参列者の手でひとつひとつ納められていました。
副葬品は単なるモノではなく、そこには故人を慕う人達の思いがたくさん込められています。

そのほかに、副葬品は死に対する恐れや迷信によって習俗として扱われるケースもよく見られます。

たとえば、故人のへそ緒や近親者の毛髪や爪を入れることも習俗のひとつ。

配偶者の毛髪や爪の場合、再婚しないためといういわれもあれば、縁を切って再婚するためといういわれもあり、地域によって解釈が違う点は興味深いところです。

友引に葬儀をする場合には、二人目の死者が出ないようにワラ人形を入れる地域も多いよう。一年に二度葬儀を出した家では、三人目の死者が出ないようにワラ人形を入れる場合もあるそうです。

先祖へのお土産として、お茶やタオル、土地の産物などを入れる地域もあります。

副葬品についての注意点も大事なポイントなので挙げておきます。

棺の中に納める副葬品は火葬されるわけですから、一般的に不燃物として分類されるもの(ビニール製品、発砲スチロール、金属類、ガラス製品)などは不可です。

燃えるものでも、水分をたっぷり含んだスイカやメロン、分厚い書籍などは火葬に時間がかかったり、酸素不足による不完全燃焼が起こる可能性があるので不可。火葬炉の故障の原因となるカーボン製品も控えます。

心臓ペースメーカーは火葬中突然爆発する可能性があり、遺体の損傷や職員の負傷事故につながりますので、事前に火葬場職員に伝えておきましょう。

(吉川美津子の”お葬式あらかると”)

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