株式会社東冠

どんなお母様でしたか？

すぐお友だちを作っちゃう人。
歩いていてもすぐに話しかけて親しくなる人っているじゃないですか？そういうタイプの人です。
しゃべるのが大好き。
社交的で、買い物も大好きで、一人でデパートに買い物に行っていました。
ご近所でも皆さんとお付き合いをさせていただいていました。

ご近所の有名人ですね。趣味とかはあったのですか？

まあ、有名人ということにしておきましょうか。
趣味は人形作りとか、裁縫とか。
師匠が近所にいるんですが、真多呂人形を自分で作っていました。

すごい、お雛様みたいですね！

そうですね。独特の目の表情とか。手先が器用でした。

母は10月27日まで、この家で一緒に暮らしていました。
入院していたのは1ヵ月と少しです。
介護認定なども受けていませんでした。
車椅子は使わず、杖も使わず。
でも、半年くらい前から、食欲が減って痩せてきて……。
6月の28日生まれで、今度の誕生日で90歳でしたから老衰でしょう。
残念ですが、寿命なので仕方がありません。

元気だった期間が長かったので、この一年は本人にとっても苦痛だったことでしょう。
我慢強かった。
我慢強かったけれどその我慢強さが最後、辛かったのかもしれません。
呼吸なども苦しかったのではないかなと思います。

葬儀社を事前に探すということはなかったのですか？

心の中では「いざという時」というのは考えていました。入院してから亡くなるまで多少の時間はありましたので。
ただ、考えることはできましたが、予約はできないですからね。

21年前に父が他界しましたが、その時の経験といいますか、やはりスピードが必要だとは思っていました。
1ヵ月後というのであればいいのでしょうけれど、お葬式はそういうわけにはいきません。

民放局に勤めていた父の葬儀は、青山にあるお寺で行いましたが、大変でした。
母は専業主婦でしたし、家族と親せき、ご近所の方々や友人くらいで集まって、小ぶりなお葬式をイメージしていました。

ただ、やはりご近所には親しくしてくださっていた方もたくさんいらしたし、また、私の会社関係者には特に伝えてはいなかったのですが、それでも来てくださった方もいて、結果として80名くらいの方にいらしていただきました。

病院からご連絡をいただきました。

亡くなったのは早朝6時頃で、スマホで「いい葬儀」を見つけて病院から直接連絡しました。
早速、東冠さんの男性の担当者が来てくれて。
年齢はわかりませんが経験も豊富そうな、落ち着いた感じの方でしたね。
営業の担当者なのでしょう。
決めなければならないことはたくさんありましたし、祭壇とか、様式とかテキパキと手際よく決めていきました。
きちっとしていて抜けはなかった。

病院から一旦家に帰らせてあげたかったので、自宅に戻って2日間安置しました。
それから朝、東冠さんの会館に移ってその日の夕方、6時からにお通夜を行いました。
そして翌日告別式です。

葬儀社はどうでしたか？

会館はきれいでしたね。
それから実務を全部担当してくださった女性の方が本当に良かった。式の担当者の方。
落ち着いていらして細かい所にも気が付いて、きめ細やかで。
遺族は気持ちが沈んでいるじゃないですか。そこに寄り添ってくれる感じがしました。
その方の力なのかもしれませんが、とても良い方を担当につけてくださったのはありがたかった。担当者はこちらでは選べないですからね。ご縁でしょうか？

オペレーションも良かったですね。
ほかのスタッフの方への指示も的確で、さすがプロだなと思いました。
私も職業柄、お付き合いというか、お葬式の時のお手伝いとかもよくやるんです。
ですのでこれまでにもいろいろなお葬式を見てきているのですが、やはり東冠さんの担当者は手際が良かったです。
その評価は非常に高いです。後手に回らないんです。先手でタイミングが良い。
私はどちらかというとせっかちタイプなので、「そろそろかな……」と思うとパッと言ってくれるので、「おお！」という具合です。

お葬式にはどのような希望がありましたか？

確かに不幸は不幸なのですが、あまり暗くはなりたくなかったですね。
あと、私の妻が花をやっていましたので。

生花祭壇ですね？

そうです。九十歳近くまで元気でいられて、ある意味大往生です。だから華々しく送ってあげたいなと思いました。
会場に入った瞬間の雰囲気というのはあると思います。花をきれいに飾って、女性らしさを出してというのは必要だと思いました。そこはお金がかかっても良いと思いました。

遺影写真も家族で作ったカレンダーの写真なんです。元気だったとき、家で米寿のお祝いをしたんですが、その時に姉が撮った写真でカレンダーを作りました。
それを遺影写真にも使っています。

いいお写真ですね。

これをトリミングして大きな写真に伸ばしました。さすがプロですよね、上手にすぐにやってくれましたよ。

お人形も飾ったりしたんですか？

人形を飾ることはしませんでしたが、棺の中には姉や娘の手紙や、ひ孫からの絵とか、好きだったぬいぐるみとかを入れました。
好きなものは入れましたね。
食べものとかも。
あと、醤油が好きだったんですよ、醤油が。

お醤油ですか？
東北出身だったからでしょうか？
しょっぱいものが好きというか、何にでも醤油をかけていました。
ですから、本当は火葬の関係で入れてはいけないものだったのかもしれませんが、入れてもらいました。

あと、遺体をきれいにしてくれるんですよ。
ああいうサービスは今、多いのですか？
東冠さんのオリジナルのサービスですか？
最初そんなサービスがあるなんて知りませんでした。

湯灌ですね？　一般的にはご遺族のご希望があれば行う葬儀社が多いと思います。

若い男性と女性の方が素手で洗ってくださって、本当の「おくりびと」ですね。
よくやってくれるなと。
よほど優しい人じゃないとできないですよね。
普通の感受性ではちょっと、やはり抵抗を感じるんじゃないでしょうか？
家族じゃないし、第三者なわけですから。

職業と言ってしまっていいのかわかりませんが、素直にやってくれるんですよね。その表情が、笑ってるわけじゃないけどにこやかというのか、おだやかに見送ってくれるという感じです。

すごく丁寧に送ってもらった感じがします。
母は普段から若い人と話すのも好きだったから、空から見ていて嬉しかったんじゃないかな？
きれいにして送ってもらったというのがすごく印象深かった。

で、男性の方が洗髪をして、最後に「ご家族もやりますか？」って言ってくれたので私が「やります」と。
いいことですよね。
気持ちの問題なんだろうけど。
この頃のお葬式ってこうなんだって驚きました。

周りに家族がいて、皆で見守る中でお別れの機会が創れるというのは良かったですね。
あとは旅立ちの服への着替えもね。
「お任せします」というのではなくて参加型で。
そういうのも良かったと思います。
孫も皆でお別れができました。

>>湯灌について詳しく知りたい方はこちら

奥様のご感想はいかがですか？　女性の視点から、例えばお料理とか感じたことはありますか？

お料理も良かったですね。
やはり高齢の人が多いですから「脂っこいものは召し上がらないので、お寿司が皆さん喜ばれますよ」ってアドバイスいただいていたので多めに頼みました。
実家の母に聞いたら「食事も良かったよ」と言ってくれたので。
量もちょうど良かったですね。少し余るくらいで。

あと、「司会もプロの方に依頼できますよ」という話だったのですが、よほど有名人で語るべきことがたくさんあればそれも良いのでしょうが、普通の人でしたし、お断りしました。
それでその担当者が司会もしてくださったのですが、とても上手でした。

自然体でナレーションも上手で、ちゃんとした進行でした。
無理に泣かそうするとか、そういうわざとらしさもなくて本当に良かったです。

導師は菩提寺のご住職がお勤めになったのですか？

ご住職が福島から来てくれました。
父の時にもそのお寺のご住職が来てくれましたので、今回も亡くなってすぐに電話をしたら2名、車で駆けつけてくださいました。
戒名もすぐにつけてくださった。
お坊さんを紹介してくれるサービスもあるようですが、慣れているお坊さんの方がいいです。
お寺の檀家がどんどん減っているという話は最近よく聞きます。
でもご先祖様のことを考えるとね。
できる限り縁を大切にしていきたいと思います。