【お葬式Q&A】喪中のお正月の過ごし方について教えてください

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皆さん、こんにちは。葬儀相談員の市川愛です。
“教えてお葬式”ということで、このコンテンツでは皆様からいただいたご質問にお答えしています。

今回いただいたご質問は“喪中のお正月の過ごし方について教えてください”というふうなんですけれども、皆さんご存知のとおり喪中はお祝い事を避けるというのが通例です。

まず、お正月とはそもそも何をお祝いするのか?というところからお話ししたいと思うんですけれども、日本のお正月というのは本来、新しい年の五穀豊穣を司る神様である、年神様をお迎えすることをお祝いするものなのですね。
そのお祝いのために、年末の大掃除で家を綺麗に清めて、門松や鏡もちなどのお供えを飾って、年が明けたらおとそで清めて、おせち料理ですとかお雑煮といったご馳走を囲む。これは全て、年神様を心から歓迎するというところから来ているんですね。
 
ご質問の、喪中のお正月の過ごし方なんですけれども、古くは仏教が伝来する以前から、神道を代表とする日本の信仰では、死を穢れとして考えられてきているんです。
そして、この穢れは伝染るともされているため、神様からは遠ざけなければならないと考えられてきました。
お正月の年神様というのも同様で、年神様に穢れが伝染ってしまっては、その土地の五穀豊穣にも影響が出てしまう、というふうに考えられていたせいで、喪中の家は年神様をお迎えする行事からは遠ざかって参加せず、静かに過ごしていたのですね。
そのなごりで、現代になっても、喪中の家庭ではお正月をお祝いしないのが一般的なのです。
 
神社への初詣ですとか、お正月飾り、年賀状、近隣へのあいさつ回りなど、お正月を祝うことは基本的には行いません。
初詣をどうするかを詳しくお話しますと、神社によってはなんですが、喪中で参拝を避ける期間、これを一年としているところもあって、または50日間としているところもあるんですね。ですので神社ごとに確認というのは必要なんですけれども、本来の意味を考えると、初詣で神社に行くというのは避けたほうがいいかもしれません。
 
しかし、お寺へのお参りというのは全く問題ないんですね。もともと仏教には、穢れという概念がありませんから、お寺へのお参りやお墓参りをしても全く問題はありません。
 
喪中ということで、普段と過ごし方の違う静かなお正月になりますけれども、小さなお子さんのいるご家庭では、毎年楽しみにしているお年玉までお休みしてしまってはかわいそうかもしれませんね。この場合は、本来の喪中の意味合いですとか、どうして今年はお正月をお祝いしないのかという由来を教えてあげた上で、お小遣いとして渡してあげてもいいかもしれません。
 
ということで、今回のご質問、“喪中のお正月の過ごし方について教えてください”にお答えしました。ありがとうございました。

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