お葬式で分からない言葉とマナー「引導って何?」

引導を渡す
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このコラムをご覧いただいている皆さんからのリクエストにお応えして「知っているようで意味がよく分からないお葬式の専門用語とマナー」についてシリーズでお伝えしていきます。

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葬儀のありかたの変化

私がマスコミ業界から今の葬儀・式典業界に入ったのは20年前になります。
起業するまで葬儀にかかわったのは祖父・祖母のお葬式だけ。
ましてや当時、十代でしたのでお葬式のことは全く分からない状態でした。普段、耳にしない読経が行われ、また、初めてのお焼香に火葬場での収骨に精進落とし・・・。
突然やってくる葬儀に多くの皆さんが悲しむ間もなく戸惑って二日間を過ごされる様子は今も同じ。起業した頃は都内でも自宅葬が行われ、近隣の方々が受付などのお手伝いにいらっしゃるのが当たり前の光景でした。
ご近所には葬儀のことをよくご存じの長老的な方がいて、儀礼のこと、喪主が何をすべきか、挨拶の文言まで親身になって教えていらっしゃいました。
ところが、今はどうでしょう。
核家族化が一気に進み、高齢化とともに葬儀への価値観が変わり、家族葬や一日葬、儀式を行わない直葬などの新たなスタイルが生まれ、葬儀に関わる言葉の意味やマナーが分からないという方が急増しています。

葬儀のマナーがわからない原因

この背景には、お寺との関係が希薄(コミュニケーションを取る機会がない)になってしまったことも原因のひとつです。
日本のお葬式の9割が僧侶の読経とともに進行される仏教葬。儀式の中で度々耳にするのは、仏教用語の「引導(いんどう)を渡す」。

本来は故人をこの世からあの世へ送る(仏門に入る)重要な儀式ですが、昨今では、「あいつに引導を渡したよ」など、関係を断つ、ダメ出しをするといった最終宣告の意味合いで使われることが多いようです。本来の意味とかけ離れ、ちょっと残念ですね。

曹洞宗を一例にとると、引導の際には読経を一区切り終えて僧侶がその場で立ち、故人に向かい引導法語を唱えます。 生前の生き方や功績をたたえ、亡くなった事実を告げ、この世から悟りの世界(仏道)へ導きます。
この引導所作は僧侶から「引導の儀式を行います」などの言葉がなく葬儀中に始まってしまうため、遺族や会葬者の皆さんも重要な儀式と気づかないまま閉式を迎えてしまうというのが実情です。僧侶から事前に儀礼の意味を一言添えて下さればいいのにな・・・と思うこともしばしば。意味を知ることで僧侶が故人に発する一言、一言に心を傾け、故人を葬送することができます。
意味を知ること。
それがマナーを考える心構えではないでしょうか。

わからない言葉などありましたら、葬儀の用語集を参考にしてください。

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