2016年10月15日逝去された医療法人愛正会 田尻ヶ丘病院理事長、金川卓郎先生のお別れ式が11月19日、茨城県日立市の日立鞍掛山葬祭場で開かれました。
青い空をイメージした祭壇には、生花で作った病院のマークと故人が何よりも大切にしていた病院のジオラマが飾られ、お別れに訪れた参列者の胸を打ちます。
施行は、いばそう企画有限会社(茨城県日立市、林三弘社長)です。
故人が大切にした病院を祭壇に再現
大ホールに飾られた祭壇。その鮮やかな青が、背景と一体化して大きな青空を描いています。そしてその青い空を背に、向かって左手には故人が勤めていた病院の大きなジオラマが、そして右手には病院のトレードマークが飾られています。
ジオラマはお別れ式の打ち合わせの際に、ご遺族のお話の中で、「故人は生前、病院を訪れる人々や、共に働く方々を何よりも大切にしていた」と感じた葬儀担当者が、そんな故人への感謝の気持ちを伝えるにはと企画しました。
制作してくれる会社を探すのが難航し、最終的には都内のデザイン・設計会社に発注したそうです。
故人への感謝の言葉
祭壇の正面、ホールの入り口の上には病院の写真を背景に、職員の皆さんからの「ありがとうございました。」という感謝の言葉をつづった大きな横断幕が飾られています。
会場から出る際に目にして涙ぐむ参列者もいましたが、この場所に飾ったのは、去り際にもう一度故人を思い出してほしいという意味ではありません。
「故人への感謝の気持ちを伝える」というお葬式の基本に立ち返ったとき、「ありがとう」の言葉は故人に捧げられるものです。
このように考えると、祭壇に飾られた故人の遺影から一番見やすいところに飾るというのが最も自然なのだそうです。
等身大の写真と並んで最後の記念撮影
ロビーにはメモリアルコーナーも用意。白衣や趣味のカメラのコレクションが展示されています。
その向かいの芳名板の横には、故人の等身大の写真が飾られています。
近親者のみで密葬を執り行ったので、故人と最後のお別れができなかった人もいます。そんな方々も生前の姿を偲んでお別れできるようにと用意されました。
会場を訪れた人は、その元気そうな姿を懐かしそうに眺め、並んで写真を撮ったりしていました。
皆がお別れできるように立席も用意
当日は冷たい雨が降るにも関わらずおよそ650人もの人が、お別れ式に集いました。
会場は大ホール、小ホールだけでなく、会場前の駐車場にテントを設営し、献花台を用意しました。
なるべく多くの方がお別れできるようにとホールの座席は後方の3列の椅子を片付けて、立席も設けてあります。
故人にお世話になった皆さんで送るお別れ式。
お葬式の原点は社葬も個人葬も同じ。亡くなった方に感謝の気持ちを伝えるということを改めて、教わった式でした。
(小林憲行)