火葬後の骨上げの方法

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

火葬後の骨上げの方法
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骨上げとは、火葬後に箸で遺骨を拾い上げ、骨壺に収める儀式のことです。納骨と混同されますが全く別の儀式です。一般的に親族で執り行うもので、故人と縁の深かった順で遺骨を拾い上げます。

骨上げにはどのようないわれがあるのか、その意味や手順、地域による違いや気をつけたいこと解説しています。故人とのお別れの場を戸惑うことなく取り進められるようお役立てください。

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骨上げの意味・いわれ

骨上げの意味、いわれ

骨上げ(こつあげ)とは、火葬後に遺骨を箸で拾い上げ、骨壺に収めることです。拾骨・収骨(しゅうこつ)ともいい、世界ではあまり見ることのない日本独特の慣習です。箸を使うのは、故人を「この世からあの世に橋渡しする」という意味が込められているといわれています。

骨上げには、長さが揃っていない竹製と木製の箸を一本ずつ使います。揃わない箸を使うのは、葬儀の際に日常の常識を真逆にして死後の世界を正反対の世界と捉える、『逆さごと』に由来します。

例えば、葬儀の際に和服の袷を左前にしたり、屏風を逆さに置いたりすることと同様の風習です。骨上げの箸も、長さが違う・素材が異なる・二人で拾うという3つの日常とは異なる常識によって、不幸が続かないようにという意味が込められています。

>>収骨の方法

骨上げの方法

正式には男女でペアを組み、骨上げ箸を使って1、2片の骨を骨壺に収めます。骨上げする順番は、一般的に喪主からはじめ、続いて遺族・親族というように、故人との関係が濃い人から行います。遺骨は足から腕・腰・背骨・肋骨・歯・頭蓋骨と下から上へと順番に拾い上げ、骨壺に足が底になるよう収めます。これは生きているときと同じように足が下になるようにするためです。

頭蓋骨を収めた後、最後に喪主が喉仏を骨壺に収めます。喉仏は、その名が示すとおり仏様が座禅を組む姿に似ているので、最後に収めて骨上げの儀式が終わります。拾い上げる遺骨の順番には地域差もありますので、係員の指示に従いましょう。

地域による骨上げの違い

地域による骨上げの違い
お墓参りをする女性

骨上げは、地域によって方法に違いがあります。一般的に東日本の骨上げは全収骨といって、足から上部までのすべての骨を拾い上げるのに対し、西日本では喉仏などの一部の骨を拾い上げる部分収骨となります。このため、東日本では6寸~7寸の大きめの骨壺、西日本では3~5寸の小さめの骨壺を使用します。

東日本と西日本の境目は混在してはっきりとしたラインは引けませんが、東海地方あたりでは全収骨と部分収骨が混在しているようです。西日本では骨壺へ収められなかった遺骨は一般的に火葬場で供養されます。地域の風習の違いに驚かれる方もいるかもしれませんが、故人を偲ぶ思いは東日本も西日本も変わりはありません。

骨上げ後について

骨上げ後について、埋葬許可証

骨上げ後は、火葬場の係員が骨壺を箱に収め、白い布で包みます。その中には通常、埋葬許可証が入っています。この埋葬許可証を紛失してしまうと納骨することができなくなってしまいます。なくさないように注意しましょう。

白い布で包まれた遺骨を喪主が両手で持ち、位牌や遺影を遺族が持って帰宅します。

分骨する場合の注意点

お墓から遠方に住んでいる場合や手元供養をしたいなどの理由で、骨を分ける分骨も多くみられます。火葬場での分骨を希望する場合は、分骨用の骨壺などを準備する必要があります。

必ず事前に葬儀会社と火葬場に連絡しておきましょう。また、分骨した遺骨を納骨する際は、分骨証明書が必要となります。分骨証明書は火葬場や納骨場で手続きができます。

還骨法要について

還骨法要とは、骨壺に収められた故人を供養する儀式です。

宗派によって還骨勤行、安位諷経とも呼ばれます。後飾り祭壇に、遺骨、お位牌、遺影を安置して僧侶による読経の後、喪主から順にお焼香をします。

還骨法要は、遠方の親族に再度来てもらうことが難しいなど、都合によって葬儀当日に初七日法要をかねて行う場合も増えています。その後、精進落としが行われ、葬儀の1日が終わります。

>>還骨勤行とは

骨上げの注意点

骨上げは、地域の違いがありますので、葬儀会社や火葬場の係員とよく打ち合わせをして、間違いがないように行いましょう。地域によっては火葬から骨上げなど、火葬場の係員や運転手の方に心づけを渡すという風習もあります。その場合、一般的に3,000円から5,000円の心づけが相場とされています。

一方、公営の火葬場など心づけを受け取らない場合もあります。この場合、習わしだからといって無理に渡してしまうと係りの方に迷惑がかかってしまうこともありますので、葬儀の担当者に相談して、心づけを渡すかどうか、判断するとよいでしょう。

骨上げは、幼児や思春期の子どもには精神的につらいことがあります。どうしても骨上げができないという人は無理に行うことはありませんので、配慮してあげることも大切です。

まとめ

骨上げについて、その方法や違いについてまとめました。骨上げには地域によって違いがあります。初めての骨上げの場合、特に緊張してしまうかもしれませんが、事前に骨上げの方法を知っておくと落ち着いて臨めるでしょう。

また、骨上げだけでなく葬儀について分からない点や進め方を相談したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

葬儀やお墓についてご不明な点がある場合は、お気軽にいい葬儀までお問い合わせください。

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