吉川美津子のお葬式あらかると

Vol.23 ちょっと鳥肌?!遺体を溶かす新葬送

仕事がら、葬儀関連の新商品の情報を得る機会はそれなりに多くあります。しかし、情報を得たからといって、それが頭に入っているかというとそうではなく、ほとんどはその場で「なるほど」と頷いて頭の引き出しの奥にしまいこまれてしまうか、他の商品やサービスと混ざってしまうか、はたまた記憶の一部にさえなっていないこともしばしば。私の頭の中の処理能力は年々低下し、なかなか記憶として定着するのは難しくなっています。よほどインパクトのある商品でなければ……。  

アクアメーション一年ほど前のこと、たしか震災直後で都心のオフィス街がガラガラだった頃、オーストラリアから来たある客人と会いました。持参したパンフレットには、冷蔵庫程の大きさのタンクの写真が掲載。聞けば「私達は火葬よりも自然かつ環境に配慮した形で、人間の体を自然に戻す選択肢のひとつとして、Aquamation(アクアメーション)という方法を開発しました。アクアメーションとは、遺体をアルカリ加水分解し、4.5~6時間かけて遺体を処理する方法です。」とのこと。火葬より設備維持費や消費電気量等を低く抑えられるほか、排出される二酸化炭素量の削減、ダイオキシン、水銀蒸気といった有毒バスが発生しないという利点があるそうです。  
この情報はさすがにインパクトがありました!タンクの中に人が入って横たわっている写真を見せていただいたのですが、その姿はまるでこれから宇宙旅行にでも出発するかのよう。
「ちょっとしたスペースでも置くことができます。」
……たしかに。  
ご遺体を液状化する機械は、イギリスでも開発されているようです。機械の形は違いますが、おそらく似たような原理ではないかと素人目には映ります。ただ、実際に稼動できるかどうかという問題になると、法整備がまだ難しいようですね。  

火葬、土葬、鳥葬、風葬、水葬……、古くから世界各地で行われている葬送には、それぞれ意味があります。商品ありきで葬送が行われることはありません。宗教、生活、文化、歴史などが背景となり、それぞれの土地で独自の葬送文化が築かれるのですから、おそらくこの液体化葬?が新たな葬送として柱になることはないでしょう。ただ、どれだけの人の興味を引き、どれだけの人に受け入れられるか、今後の展開を傍観してみたいと思うのは私だけでしょうか?


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