吉川美津子のお葬式あらかると

Vol.11 エンディングノート活用のコツ

エンディングノート近頃エンディングノートがちょっとしたブームになっているようです。エンディングノートが一般の書店で並ぶようになったのは90年代後半から。当時はまだ注目度も低く、葬儀についてのタブー視が今よりも強かった時代。「お金を出して買う」行為にいたる人は少数派で、葬儀社や相続関連業者が簡易版として制作したオリジナルエンディングノートを「タダで欲しい」派の方が圧倒的に多かったように思います。

2005年を過ぎたあたりからでしょうか、冠婚葬祭実用書コーナーにエンディングノートが1冊、2冊と増えはじめたのは。特に2010年にコクヨや野村證券といった大手企業がエンディングノートを刊行したことで、注目度が一層高まりました。大手書店にいたっては、エンディングノートだけで10冊以上ズラリと並んでいる光景も珍しくありません。

そもそもエンディングノートとは、イザというときに伝えておきたいことを書き留めておくノート総称のこと。
タイトルの名称は「遺言ノート」「マイライフノート」「もしもノート」などさまざまあります。コクヨでは発売以来3ヶ月で5万部売れたとか、某葬儀関連NPOでは、5年間で7万部売れたとか、エンディングノートに関しては景気のいい話ばかり。エンディングノートは遺言書と違って法的拘束力はなく、財産管理や相続の意思を伝えたからといって意向が反映される保証はありませんが、だからこそ「気軽な気持ちで書ける」と手に取る人が多いのでしょう。

次世代への贈り物としてますます注目度が高まりそうなエンディングノートですが、実は活用しきれていない人がほとんどだとか……。購入してはみたものの、3日坊主でそのまま本棚に置きっぱなしとか、文章を書くのが苦手で途中で挫折してしまう人が多いよう。中には、「以前タダでもらったエンディングノートに書き込んだ内容を、市販のものに書き写すだけで疲れてしまい、結局そのままになっている。」なんていう声もあります。

市販のエンディングノートは厚みもあり立派なだけに、絶対に書かなければならない脅迫感が「書けない」原因となっていることもあります。
一気に書くか、少しずつ書くか、人によって向き不向きがありますが、書き方のコツとして「書きやすいところから書く」のが良さそう。それから「できるだけ手間をかけない」のもポイント。筆記用具は鉛筆でもボールペンでもその時近くにあるものを使い、書き直すときは修正ペンでも二重線でも、もちろん消しゴムでもなんでもOKとします。メモしておいたものや以前ほかのエンディングノートに記しておいたものは書き写すのではなくそのまま貼り付け。もちろん写真や新聞の切り抜きもどんどん貼っていきます。

とにかく完璧にしようとは考えないこと。ただし書いた日付だけはその都度入れたほうが良いでしょう。後で見直したときにわかりやすいだけでなく、家族が手にしたとき整理しやすいので。


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