吉川美津子のお葬式あらかると

Vol.7 実際より高いのでは?葬儀費用の全国平均

良い葬儀屋、悪い葬儀屋「不透明な葬儀費用」と言われていたのはひと昔前の話。
確かに、90年代半ば頃までは、
「葬儀費用は担当者の裁量で決まる。」
とも言われ、同じ祭壇でもお客様の顔を見て値段を決めているようなことがありました。

しかし情報社会となった現代では、そんな手法は通用しません。各社インターネットなどを通じて葬儀費用の明瞭化に努め、事前にきっちりと見積書を出す葬儀社が多くなっています。

葬儀費用の説明の際によく登場するのが、日本消費者協会による「葬儀についてのアンケート調査」のデータ。このアンケート調査は、1983年から数年おきに行われているもので、2010年10月に9回目となる最新の調査データが発表されました。
調査によると、葬儀費用(総額)の全国平均は199万8861円

この内訳は次のようになります。
1.葬儀費用一式(葬儀社へ支払う費用)
126万6593円
2.飲食接待費用(料理や返礼品などの費用)
45万4716円
3.お布施
51万4456円

(※1、2、3の数字は全国平均。これらの合計と、葬儀費用の全国平均の合計は一致しない。)

2003年度の葬儀費用(総額)の全国平均が約236万円、2007年度が約231万円でしたから、この数年間で大幅ダウンしていることが伺えます。現代人が価格に対してシビアになったこと、高齢化により参列者の人数が減って葬儀の規模が縮小したこと、葬儀が簡素化の方向へ向かっていることなどが要因と言われています。

そうはいっても、このデータについて多くの葬儀社は
「ちょっと高すぎるのでは?」
という印象を持っているのではないでしょうか。前回調査に比べるとかなり現実的な数字に近づいてきたとはいえ、、葬儀のシンプル化が加速し、家族葬や直葬(ちょくそう)の勢いが止まらない現状で、葬儀社への支払い平均額約126万円という数字は、なんとなく腑に落ちないのです。
一部の葬儀社ではこのデータを引き合いに出し
「当社で行った葬儀の平均費用はこんなに安いです!」
と、PR用の素材として結構うまく活用しています。今後も各メディアでこれらの数字が踊らされ&一人歩きし、ストーリーを作り上げられそうな予感……。

(日本消費者協会のデータが間違っているというわけではありませんが、アンケート回答者数が1008名と極端に少ないため、信憑性に欠けてしまう点は否めません。また、一般的な世帯の葬儀費用について考察するのが目的なら、多めになりがちな平均値を出すより中央値や最頻値といった統計を利用するほうが適当なのでは、という意見もあります。)

いずれにせよ、こういったデータを参考にする際の注意としては、
「費用だけにとらわれないこと。」
葬儀費用は参列者の人数によって大きく変わりますし、地域差もありますから、平均値に惑わされるのは大変キケンです。また、葬儀社の役割は、単に祭壇や棺などの備品を提供するだけではなく、葬儀を滞りなく進行し、遺族をさまざまな面からサポートすることです。事前に価格を含めてサービスの内容を比較検討し、
「この会社にお願いしたい。この担当者なら安心だ。」

という葬儀社に依頼することが大事なポイントとなってくるのです。


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