吉川美津子のお葬式あらかると

Vol.2 喪服選びは難しい

先日、喪服を揃えたいという友人の付き添いで、都内某百貨店のフォーマルウエア売り場に行ってきました。年齢が上がるにしたがって、必然的に増える不幸事に備えて、年相応の略礼服を一式揃えておきたいとのこと。そういう世代に突入したのだな、と実感せずにはいられません。

さて、肝心の喪服選び。私の経験上、喪服選びのポイントとなる点には次の4つがあげられます。

喪服・体型に合うこと
・飽きのこないデザイン
・夏は涼しく、冬は温かく着こなせるもの
・できればポケットが付いていると良い

男性にはピンとこないかもしれませんが、女性にとってはこのポイント、簡単にクリアできそうで、イザ購入段階になると案外ハードルが高いポイントなのです。

喪服を着用する意味は、遺族や親戚に対して思いやりや弔意を服装で表すことであって、お洒落や自己主張は必要なしとわかっていても、気に行ったデザインを購入したいと思うのはごく自然な発想です。しかし、喪服のほとんどは「流行に左右されず長年にわたって着用できるもの」というコンセプトで作られているため、無難である半面どれもセンスはイマイチ。しかも、市販されている喪服の多くはオールシーズンタイプで、真冬は寒すぎるし、真夏は蒸し風呂状態。おまけに女性の場合はポケットがついないタイプも多く、実用性の面からも首を傾げたくなるタイプばかり。

「この値段(定価3~5万円)ならもう少し良いデザインがあるかも」と言い残し、その場を去った友人。あれこれ悩んだ挙句、最終的に選んだ喪服は某通販会社の「喪服4点セット12,800円」。値段の割に生地もしっかりしていて、素人目では高級服地と区別が難しいくらいのお買い得品に大満足です。購入の決め手は、女性らしさを際立たせるマーメードタイプのスカートと、適度にシェイプされたジャケット(ポケット付き!)だったとか。ブラウスは半袖だから真夏も対応できるし、真冬は重ね着可能なデザインになっているなど、消費者のウォンツをしっかりキャッチしたコンセプト。通販だからといってあなどれません。

どうやら「喪服は一生モノ」という考えは、ひと昔前の話であって、現代ではあてはまらないようです。「せっかくだから、長く着られるように良いものを」と高価な喪服を購入しても、数年後イザ出してみるとサイズが合わなかったり、昔のデザインで着用に躊躇してしまうことがあります。リーズナブルな価格帯の商品も数多く出回っていますので、5~10年くらいに一度は買いかえる気持ちで準備したほうが良いでしょう。

ただ改善の余地ありは、弔事用のバッグ。似たような正方形や台形の型ばかりでデザインに期待できないどころか、収納力の低さや使い勝手の悪さも問題。最近はバリエーションも増えてきましたが、「もう少し選択肢があれば良いのに」と考える女性は案外多いのではないでしょうか。

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